
森ヒルズリート投資法人
執行役員
山本 博之
平素は、森ヒルズリート投資法人に格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
本投資法人は、第38期(2025年7月期)の決算を無事迎えることができました。
当期の日本経済は、物価上昇による影響が継続し、個人消費の一部に弱さが見られましたが、設備投資が堅調に推移するとともに、輸出の増加が下支えとなることで、緩やかな改善が続きました。
このような経済環境下において、賃貸オフィスビル市場は、東京都心部において大規模な新築ビルが複数供給されましたが、業容拡大による拡張や、立地改善、グレードアップ等を目的とした移転需要が継続したことで、空室率は着実に低下し、賃料についても底堅く推移しました。高級賃貸住宅市場は、都心部の優良住宅に対する安定的な需要が継続したことで、稼働率及び賃料水準は共に堅調に推移しました。不動産流通市場は、外資系法人による大型取引が牽引したほか、J-REITによる運用資産の入れ替えの動きが引き続き活発であったことで、取引額は引き続き高水準を維持し、取引価格についても高値圏を維持しました。
本投資法人は当期においても、テナントニーズを把握した効率的かつ計画的な運営管理及び修繕工事によりテナント満足度の維持向上に努めるとともに、賃貸市況の動向を見据えながら新規及び既存テナントに対する積極的なリーシング活動を展開し、稼働率及び賃料水準の維持向上を図りました。
当期末現在における本投資法人の不動産ポートフォリオは、保有物件ベースで11物件、既投資額で407,908百万円(取得価格ベース)、総賃貸可能面積182,655.52㎡、期末稼働率は99.5%となっています。
上記の資産運用の結果、本投資法人の当期の営業収益は11,223百万円、営業利益は6,795百万円、経常利益は6,094百万円、当期純利益は6,093百万円、1口当たりの分配金は3,090円となりました。2025年7月1日に「ラフォーレ原宿(底地)」の一部譲渡(譲渡価格3,073百万円)を実施し、譲渡益1,522百万円のうち265百万円を圧縮積立金として積み立てています。
また、本投資法人は2025年12月1日に「虎ノ門ヒルズ 森タワー」の追加取得(取得価格 9,669百万円)及び「ラフォーレ原宿(底地)」の一部譲渡(譲渡価格 3,073百万円)を実施する予定であり、第39期(2026年1月期)においては、1口当たり3,100円の分配金を予想しています。
本投資法人は、引き続き森ビルグループの物件パイプラインを有効活用した外部成長を推進するとともに、賃料固定型マスターリースによる収益安定性も保持しながら継続的な分配金の維持向上を図り、投資主価値の最大化を目指します。
今後も変わらぬご支援、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。