テナント・地域社会への取り組み
方針・考え方
現在、世界人口の半分以上が都市で暮らしており、都市の重要性は益々高まっています。
サステナブルな都市を構築するためには、安全で強靭性があり、様々な面で豊かな環境を備えていることが必要であると考えます。
気候変動の影響・環境汚染・大地震等から人命や財産を守ることが社会的な課題であるとともに、都市の再開発や運営において、地域における社会的弱者を保護しながら権利を尊重し、地域の活性化に取り組むことも課題であると考えます。
安全で強靭性があり、豊かな環境や地域コミュニティを備えたオフィスビルや住宅は、テナントの方々にとって魅力的であり、そのような環境を整えることは、事業活動における競争優位につながります。
本投資法人および資産運用会社は、テナントの方々に安全で利便性が高く快適な空間を提供することを目指します。
特にBCP(事業継続性)を重視し、耐震性能・非常電源等のハード面の充実、災害時の管理体制などのソフト面の充実に努めます。
また、地域コミュニティとの連携に取り組みながら、関係性の充実を図ります。
地域における住民や児童の権利を尊重して人権を守るとともに、地域における雇用を促進して、地域企業からの物資やサービスの調達を行い、地域コミュニティの活性化に取り組みます。
人権方針については、次のページをご参照ください。 従業員への取り組み>人権の尊重とダイバーシティの推進
BCP対応
災害時でも、テナントの方々に安全で快適な執務・居住空間を継続的にご利用頂けるように、様々な観点からBCP対応の充実を図っています。
制振・免震
本投資法人が保有する大半の物件において、建物に制振壁、制振ダンパーなどの最高レベルの耐震性能が備わっており、本投資法人のポートフォリオPMLは低い水準で維持されています。
※PML(Probable Maximum Loss)は大規模地震による予想最大損失率であり、数値が低いほど耐震性に優れていることを示します。
※SOMPOリスクマネジメント株式会社による2021年2月15日付ポートフォリオ地震PML評価報告書の数値を記載しています。
建物特性に合わせた耐震構造
本投資法人が保有する物件を開発した森ビルでは、独自の耐震基準の下、開発上の利点や空間の使い方に合せて、様々な構造手法を選択しています。
<虎ノ門ヒルズ 森タワー>
⻁ノ門ヒルズ 森タワーでは、オイルダンパー、ブレーキダンパー、アンボンドブレースの3種類の制振装置を採用し、阪神・淡路大震災や東日本大震災クラスの大地震が発生しても、構造に大きな損傷を与えず事業を継続できる、高度な耐震性能を実現しています。
このような制振装置を採用することにより、一般社団法人日本建築構造技術者協会が定めるJSCA耐震性能グレード:「特級」の耐震性を有しています。
非常用電源・防災備蓄
本投資法人が保有する物件のうち、六本木ヒルズでは独自のエネルギープラントによる自家発電システムが備えられており、それ以外の大半の物件についても、高性能の非常用電源機能が備えられています。
防災備蓄については、本投資法人が保有する物件を管理運営する森ビルにおいて、民間最大規模となる約27万食の備蓄食料や毛布、医薬品、簡易トイレなど、災害時に必要となる各種備蓄を施設毎に行っています。
独自のエネルギープラントによる安定的な電力供給 <六本木ヒルズ>
六本木ヒルズでは、独自のエネルギープラント(特定送配電事業施設)により、域内に電力を供給しています。
このプラントは、都市(中圧)ガスを燃料とするため、系統電力会社による電力制限の影響を受けることなく、極めて安定的な電力供給が可能です。
さらに、系統電力によるバックアップと灯油のストックも備えた3重の安定性を持つ電力供給により、一般的なSクラスビルを上回る信頼性の高い電源供給システムを構築しています。
非常時管理体制
本投資法人が保有する物件を管理運営する森ビルでは、震災などの有事の際、速やかに震災対策組織体制に移行し、迅速な復旧活動を行うことでテナントの方々の生活、事業の継続を支援できるように取り組んでいます。
事業エリアである六本木ヒルズ、アークヒルズ、虎ノ門ヒルズ、麻布台ヒルズの4ヒルズを中心に3.5km圏内には、複数の防災要員社宅や管理住宅を設けており、居住者である約240名の防災要員には定期的な特別訓練を行うなど、日頃から災害発生を想定した準備を実施しています。
また、年に2回、大規模な総合震災訓練を実施するほか、防災要員は年6回実施する訓練への参加を義務づけるなど継続的な人材育成に努めています。
2019年度 |
2020年度 |
2021年度 |
2022年度 |
2023年度 |
2回 |
1回 |
2回 |
2回 |
2回 |
<有事に備えた防災要員体制>
<森ビル総合防災訓練>
バリアフリー対応
全ての保有不動産のリスク評価を毎年行っており、その中でバリアフリー対応の評価を行い、必要に応じた取り組みを実施しています。
公共交通機関へのアクセス
不動産投資を行う際のデューデリジェンスにおいて、公共交通機関へのアクセスを重視しており、取得基準の中に、主要駅等から徒歩圏であることを定めています。
(保有不動産の主要駅からの距離:徒歩)※取得価格ベース |
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(2024年7月時点)
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都市の再開発プロジェクトの実績
⇒都市の再開発プロジェクトに関する方針および実績については、下記のサイトをご参照ください。
環境への取り組み>Urban site investment criteria
従業員・契約業者のための不動産ポートフォリオ管理方針
不動産ポートフォリオの管理においては、当社の従業員への配慮はもちろんのこと、契約業者の選定においても、ESGへの取り組みを評価しており、社会面では特に従業員の「健康・安全」、「公正な賃金」等への取り組みを確認しています。
テナント顧客満足度調査
本投資法人が保有するオフィスビルでは、2年に1回、住宅では適宜「テナント顧客満足度調査」を実施しています。
調査項目は、立地やイメージなどの全体的な事項から、設備などのハード面や管理体制などのソフト面に関わる事項と多岐に渡り、頂いた意見を運営管理における参考としています。
- テナント顧客満足度調査 〔目標:オフィスビル 2年に1回実施〕
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2019年度 |
2020年度 |
2021年度 |
2022年度 |
2023年度 |
オフィスビル |
〇
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〇
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-
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〇
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住宅 |
〇 |
〇 |
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- |
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児童の権利
ユニセフによる「子供の権利とビジネス原則」に賛同するとともに支持します。
「7. 環境との関係および土地の取得・利用において、子供の権利を尊重し、推進する」に関しては、本投資法人が保有する六本木ヒルズをはじめ様々な物件において、「地域の安全性の向上」、「地域住民も権利者として再開発に参加」、「温室効果ガスの削減等の環境に配慮した未来のある開発」等が実現しています。
環境への取り組み>Urban site investment criteria
子育て支援施設
子育て支援施設は、テナントのオフィスワーカーの利便性や従業員満足度の向上をもたらすとともに、ビルの活性化や付加価値向上に繋がります。
本投資法人が所有する六本木ヒルズやアークヒルズには、国際色・自然豊かな環境を生かした子育て支援施設が設置されており、テナントに勤務されている方々のワークライフバランスの推進に貢献しています。
地域コミュニティ
様々なコミュニケーション活動を通じて、地域コミュニティの豊かな環境を醸成することを目指しており、コミュニティ投資として本投資法人が保有する六本木ヒルズやアークヒルズでは、「ヒルズマルシェ」や「ヒルズ街育プロジェクト」など、地域の方々にも参加頂けるイベントや活動を実施しています。
ヒルズマルシェ
アークヒルズでは、「都市に生きることを「食」という重要なファクターから考え、深めて行く」というコンセプトの下、2009年秋から毎週土曜日に「ヒルズマルシェ」を開催しており、毎回約3,000人が参加しています。
都市に住んでいるからこそ、様々な産地から集まった質の高い食材と出会い、結果として産地・産物と都市に暮らす人々がつながるという、都市生活の新たなライフスタイルを提案しています。
会場ではにぎやかな雰囲気の中、たくさんの農産物が生産者から消費者へと手渡されるとともに、近隣の住民の方々や生産者とのコミュニケーションにより人と触れ合う喜びを通じて、豊かなコミュニティが育まれています。
ヒルズ街育プロジェクト
「ヒルズ街育プロジェクト」とは、森ビルが街づくりのミッションとして掲げる環境・安全・文化の3つをテーマに、子どもたちが快適な都市生活について考える体験学習機会を提供するプロジェクトです。2007年から開始し、毎年1,000人以上が参加しています。
プロジェクトの一環として行っている「環境ツアー」では、六本木ヒルズの水処理施設などを見学しながら、都市生活における水資源の大切さを学ぶ「水のヒミツ探検ツアー」や、通常は非公開のアークヒルズの屋上庭園を舞台に、自然を楽しみながら都市環境について学ぶ「ヒルズのみどり探検ツアー」などを開催しています。
また、一般公募による参加だけでなく、近隣小学校における校外学習の一環としての本プロジェクトの活用を通じて、地域コミュニティにおける子どもの学習機会の提供にも貢献しています。